研究紹介

ETS-9プロジェクト

近年、ハイスループット衛星(HTS)と呼ばれる、Ka帯を使用して多数のマルチビームと中継器を搭載し、大容量衛星通信を実現する技術が進展しています。しかし、現行のHTSは、周波数リソースの柔軟な割当てや衛星ビームの密な配置が困難であるため、必ずしも周波数利用効率が高いとは言い切れません。 本研究開発の目的は、周波数リソースの柔軟な割当てを実現する「周波数フレキシビリティ技術」を確立し、現行のHTSに比べ周波数利用効率を改善することです。本研究開発で行うデジタルチャネライザ及び給電部の技術の研究開発の成果は、2022年度打上げ予定の技術試験衛星9号機に搭載して軌道上実証を行うことを前提としています。

精密軌道技術

世界各国から多数の通信衛星が投入され、宇宙空間(特に静止軌道)は混雑した状態になっています。限られた空間である静止軌道を有効に利用するためには、衛星の位置を正しく把握する必要があります。また、静止軌道の管制精度を高めるために、新しい測距方式、精密な軌道推定、リアルタイムな軌道推定などの技術も求められます。これらの精密軌道技術を研究し、宇宙通信分野の発展に寄与しています。

WINDSプロジェクト

メールやオンラインショッピング、映画や音楽のダウンロード…。インターネットの普及とブロードバンド化は私たちの生活をより豊かに変えています。でも、すべての家庭や場所でインターネットが使用できるわけではありません。遠隔地や離島、災害時など、インターネットが行き届かない場所はまだたくさんあるのです。

WINDSプロジェクトでは、高速伝送と広域性を備えた次世代の高速通信衛星技術に関する研究を推進。アジア太平洋地域を対象に、家庭でも設置できるパラボラアンテナを用いて高速・大容量の双方向通信を行います。この研究の先には、すべての人が、いつでも、どこでもインターネットを使える、より便利で平等な情報化社会が待っています。(平成31年2月27日運用終了)

時空計測プロジェクト

時間(時刻)と空間(位置)の情報は、社会を構成する欠かせない要素であり、科学技術の最も基本的な物理量です。NICTはこの時間と空間の基準を維持し、精度を高めるための研究を進めています。鹿島宇宙技術センターでは、電磁波の干渉技術(VLBI)の開発を進め、より小型のアンテナを使って、大陸間ほどの距離離れた原子時計どうしの精密な周波数比較を実現する研究を進めています。また、地球の大きさや自転を精密に測定する観測を、国際協力に基づいて行っています。(34mパラボラアンテナ運用終了)

ETS-8プロジェクト

BSやCS放送など、とても身近になった衛星通信の技術。そのニーズは、いまどんどん増大しています。たとえば、自動車や飛行機、船など移動する相手との通信では、人工衛星を使うことで電波の届く範囲が広がり、相手がどこにいても質の高い通信が可能になります。

しかし、高速・大容量化、放送と通信の融合、通信機器の小型軽量化など、衛星通信には未来に向けたさまざまな課題があるのです。ETS-8プロジェクトは、いつでも、どこでも、誰とでも質の高い通信ができる地球規模のマルチメディアコミュニケーションを実現するために、高度な衛星通信技術に関わる研究を行っていました。(平成29年1月10日静止軌道から離脱し停波作業を完了し運用終了)

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